ふくしまクリニック
アレルギー性鼻炎、鼻閉rhinitis

アレルギー性鼻炎、鼻閉

アレルギー性鼻炎、鼻閉

アレルギー性鼻炎とは

花粉や室内ダストといった「アレルゲン」と呼ばれる物質を吸入すると、これらの物質が鼻の内部の膜から体内に浸透し、アレルギーの反応を引き起こします。ダニやホコリなどによって年間を通じて症状が現れる通年性アレルギー性鼻炎と、スギやヒノキの花粉などによって特定の季節にのみ症状が出現する季節性アレルギー鼻炎(いわゆる花粉症)に分けられます。アレルギー性鼻炎の主な症状としては、透明で水のような鼻水や鼻づまり、くしゃみなどがあります。花粉症の際には、加えて、目の周りの症状(かゆみ、涙目、結膜充血など)も起こり得ます。最近では、アレルギー性鼻炎をもつ子どもの増加や、その発症の低年齢化が報告されています。さらに、通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎の両方を持っているお子さんも増えています。子どもは、自分の症状を言葉で伝えるのが難しいことがあるので、鼻をこする、口呼吸しているといった兆候に保護者が気づいてあげることが大切です。

アレルギー性鼻炎の検査・診断方法

診断を進めるにあたって、初めに患者の話をきちんと聞いてから診察を行います。原因を探るために、以下のような検査を実施することがあります。

鼻汁好酸球検査

アレルギー性鼻炎の約80%では鼻水の中に好酸球という細胞が増加するため、鼻水を採取して鼻汁好酸球が含まれているかを調べます。

血液検査

血液中のアレルゲン特異的IgE抗体の種類、量を調べます。検査により、ダニやホコリなど1年中あるアレルギーか、スギやヒノキ、イネ科などの季節性の花粉症か。判断することができます。当院では、お子様用に一滴の血液で41項目のアレルギー検査ができるドロップスクリーンを倉敷市内の診療所では唯一、初めて導入しました。(2023年4月時点)
注射器での採血は不要で、指先から1滴の血液で検査できますので、お子様でも負担が少なく、検査することができます。

詳しくは「ドロップスクリーン検査」のページをご覧ください。

アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎の治療には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」、「手術療法」の3つがあります。また、症状の原因となるダニやスギ花粉などのアレルゲンを避ける行動や、それに対する予防策を取ることも非常に重要です。

薬物療法

鼻水を抑える抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の飲み薬や鼻の炎症を抑えるステロイド点鼻薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などを用います。抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用がありますが、近年は眠気の出にくい薬もあります。

患者さんの症状や重症度に応じてこれらの薬を組み合わせて治療を行います。

アレルゲン免疫療法(減感作療法)

アレルゲン免疫療法は、アレルギー性鼻炎を根本的に治すことが期待できる唯一の治療といわれています。アレルギーの原因となる抗原を少しずつ体内に入れ、反応を弱めていくことにより症状を抑えていくことが期待できます。アレルゲン免疫療法には、注射で行う皮下免疫療法と、薬を舌の下に入れる舌下免疫療法があり、ふくしまクリニックでは、ダニおよびスギ花粉に対する舌下免疫療法を行っています。舌下免疫療法は数年以上必要で根気のいる治療ですが、薬物療法で副作用が出るために治療が続けられない患者さんや、薬物療法だけでは症状が抑えられないような患者さんでは、舌下免疫療法がおすすめです。初回の服用はご予約の上外来で行い、その後は自宅で毎日服用を継続していただきます。

→詳しくは「舌下免疫療法」のページをご覧ください。

手術療法

薬物療法でも症状が抑えられない重度の鼻症状でお困りの方や、内服治療を続けたくない方は手術の選択が可能です。倉敷平成病院に入院していただき、全身麻酔で手術します。鼻科手術1,000件以上と経験豊富な手術数を誇る当院の院長が直接執刀します。アレルギー性鼻炎に対しては、原因神経を切断する「後鼻神経切断術」を行います。粘膜肥厚による鼻づまりに対しては、「粘膜下下鼻甲介骨切除術」を行います。鼻中隔湾曲症による鼻づまりに対しては、「鼻中隔矯正術」を行います。いずれの手術も鼻腔内で内視鏡下に手術しますので、見た目に見える範囲を切ることはありません。

倉敷市の耳鼻科 ふくしまクリニックでは、通年性アレルギー性鼻炎や花粉症でお悩みの方の診察や治療を行っております。また、お子さんや採血が苦手の方でも負担が少なく検査できるよう指先から1滴の血液で検査ができる機器を導入しました。患者様の原因や状態に合わせて、薬物療法・舌下免疫療法・手術療法といった治療法をご提案いたします。